俺も思い出したんだけど、そのときの会社案内面白かったよ。あなたはどこに向いている？みたいな。

うん、チャートがありましたね。わくわくしました。

うん、面白かった。

部門ごとに紹介してたの。その会社案内でこの会社に制作部門があることを知って、自分が働くところはここだって思った。

うん、ビビッときた。

へえ～見てみたい！

今見るとどうだろうね。うちらが見ると懐かしいってのはあると思うけれど。

当時は会社案内のお陰で社内の温度は伝わったよね。

そうだね。ネットがない時代だったから、あれがないと情報を知る手段がなかった。

印刷物が力を発揮していたよね。効果抜群だった。 今はデジタルの良さが重要視されがちだけど、やっぱり紙で見るからこそ伝わる良さを印刷物はもってますよね。

向いていると思ってやっている人いないかもしれない（笑）。私は黙々と仕事するのが好きなタイプで、自分で全部やれたら楽かなって思うこともある。そういう点では、ライターやデザイナーに依頼をすることが多い「営業」は実は向いていないのかも。でも、営業で入った以上は、やってみようというチャレンジの気持ちが大きかったなぁ。

俺も営業は向いてないと思ってる。

そう！？！？

いやいやいやいやいや…。

別にそんなしゃべるのがうまいとかじゃないし…。

そこまでやっといてよく言うよ！（笑）

俺が営業希望で入った理由は、自分の弱点とか「持ってないもの」が営業の仕事をすることで身につくんじゃないかなと思ったから。

えらいね。

そしたらもっと人生楽しくなるんじゃないかなと思って。当時も、営業になりたいって人はそんなにいなかったかもしれない。

そうかもしれない。やっぱりその頃って営業には“ノルマ”みたいな、難しいイメージがあったでしょう。

うん、あるよね。

“コミュニケーションを取れる”メリットは割と最近になってから言われるようになったんじゃないかと思う。

じゃあＢのコミュニケーションの取り方とかはさ、営業してから身についたってこと？

いや、パチンコ屋で身についた（笑）。

隣に座った知らない人と話すとか…。

そうなの！？隣の人と話すの！？

なんか黙々とやってるイメージ。

話すよ。「これ出たんで、コーヒーどうぞ…」とか。

おおらかな時代だったんだね。それ学生の時にやってたの？

そうそう。

すごい、そのときから有利な人間関係を築いていたんですね。

Bは営業マンの中で一番、初対面の人とすぐにコミュニケーションが取れる人だと思う。

そうだよね。すぐ友達になれる。なのに“営業向いてない”って、驚くよ。

Ｂは営業で良かったと思う。

Ａさんこそ（笑）。

いやいや、俺は未だに迷いながら営業してる。