より多くの人に伝わる印刷物を

メディア・ユニバーサルデザインとは

メディア・ユニバーサルデザイン(MUD)は、「色の使い方」「デザイン」「文字の使い方」などを工夫し、「年齢」「国籍」「身体的な状況」を問わず、誰もが使いやすく、見やすいデザインにしようという考え方です。

「赤色の花」はどれ? 色の見え方は、色覚の違いで異なります。

「赤色の花」といっても、「色の見え方」は、色覚の違いによって異なります。(下に、見え方の例を画像で示します)

色の見え方で困っている人は、日本国内で約320万人。メディア・ユニバーサルデザインを導入することにより、「見間違いを減らす」「周知の幅が広がる」などのメリットが生まれます。

※NPO法人カラー・ユニバーサルデザイン機構の表現に倣い、「色弱」「一般色覚」という言葉を用いています。

メディア・ユニバーサルデザインが特に必要とされる4つの機関

誰もが使いやすく、見やすいデザインにすることが特に必要とされる機関に、次の4つがあります。

1.教育機関

教育機関、出版社、教材メーカー、玩具メーカーなど。

2. 公共性の高い機関

官公庁、公共交通機構、新聞社、病院など。

3.危険、用法の告知機関

機器の取り扱い、建築・製造現場、標識、ハザードマップなど。

4.情報の公平性が求められる機関

企業のIR情報、金融機関、保険会社など。
 

関連する法律「障害者差別解消法」

「障害者差別解消法」(正式名称は「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律」)が制定され、平成28年4月1日から施行されました。この法律は、障がいのある人への差別をなくすことで、障がいの有り無しに関係なく、誰もが安心して暮らせる豊かな共生社会の実現を目指しています。あたりまえの「価値観」を、社会全体で共有していくことが必要とされていて、そのひとつとして情報をわかりやすく伝える配慮が求められています。

メディア・ユニバーサルデザイン 3つのポイント

1. 見やすい「色」

色弱者や高齢者は、一般色覚者とは違う色を認識しています。例えば円グラフをつくるとき、似た色や、明度(色の明るさの度合い)が近い色を組み合わせると、色弱者には、隣り合う色が同じように見えてしまい、区別がつきにくくなる可能性があります。下の円グラフは、1つの円グラフが色覚の違いでどう見えるかを、模擬的に示したものです。

改善前

右の円グラフは、左の円グラフを色弱者の見え方で模擬的に示したもの。隣り合う色の差が小さく見え、区別しにくいことが分かります。

こんなとき、メディア・ユニバーサルデザインの手法が役に立ちます。まず色相・彩度・明度を意識して、区別しやすい配色と組み合わせとなる色を使うこと。さらに水玉や斜線などのハッチング(柄や模様)を加えれば、違いをわかりやすく表現できます。

改善後

同じ円グラフを改善した例。隣り合う色に配慮し、水玉やハッチングを加えました。改善した円グラフを、色弱者の見え方で模擬的に示したのが右の円グラフです。隣り合う色の差と模様により、区分けが分かりやすくなりました。少しの工夫で、同じ情報を、より多くの人に伝わりやすく変えることができるのです。

2. 読みやすい「文字」

「誰にでも読みやすい文字」にするためには、さまざまな方法が考えられます。その中の1つとして「UDフォント」が使われるようになっています。

UDフォントの特徴

UDフォントの特徴について、2つの書体を例に挙げて説明します。以下に示す書体は、通常フォント「A-OTF 新ゴ Pro」、UDフォント「A-OTF UD 新ゴ Pro」を使っています。

飛び出しを削除し、最適な大きさに

濁点部分を大きくし、読みやすく

形にアキを取り、判別しやすく

太さの強弱を抑え、わかりやすく

※参考資料 株式会社モリサワ「UD書体」パンフレット・株式会社イワタ「イワタ UDフォント」パフレット

3. わかりやすい「表示」

全ての人が日本語の読み書きができるわけではありません。また子どもは、難しい漢字や表現は理解できません。日本語による情報だけでは、伝わらない人たちがいます。重要な情報は、日本語だけでなく多言語表記にしたり、言葉だけでなくイラストやピクトグラムなどを併用したりする工夫が必要です。

ピクトグラムの使用

目的に合わせたピクトグラムを使うことは、多くの人に情報を伝える助けになります。

「フラッシュ撮影の禁止」「Information(案内)」など、目的に合わせたピクトグラムを使用することで、必要な情報を簡潔に受け手に伝え、また設置側が意図した行動へと誘導することができます。

メディア・ユニバーサルデザインの相談なら、川口印刷へ

当社では29名のスタッフが、メディア・ユニバーサルデザインの知識を正しく理解し、アドバイスができると認められた者に付与される資格を取得。色覚シミュレーションや補助ツールを使い、より多くの人に伝わる製品づくりに取り組んでいます。(※資格取得者数は2021年9月現在)

パソコンを使い、画面上でシミュレーションが可能。
メガネ型色弱模擬フィルタ「バリアントール」
(開発・製造・販売元 伊藤光学工業株式会社)